では、質問です。あなたは目を皿のようにして『給与明細書』をじっくり眺めますか?ぱっと、手取りの金額を見るだけの人が多いのではないでしょうか。
実は、この給与明細書は、給与計算の仕組みを理解するうえで非常に役立つものなのです。給与明細の内容は、しっかり確認することが大切です。たまに間違っていたということを耳にします。自分でしっかり確認し、損しないためにも間違いがあったとき自分で対処できるようにしましょう。
もっとも、この給与明細書を作成する作業が給与計算事務ですが、これから給与計算事務を覚えようという方にもわかりやすいように、まずこの給与明細書を逆に利用して各項目を簡単に説明します。
給与明細書は大きく3つに分類できます。
「支給項目」「控除項目」「勤怠項目」の3つです。
支給項目
支給項目とは、給与規程などにもとづいて決定される諸手当です。基本給、役職手当、家族手当、住宅手当そして通勤手当のような諸手当があります。これらを合計したものを「総支給額」といって、まずはこの金額を決定します。
控除項目
控除項目は、総支給額から天引きされるものです。どんなものでも控除していいというわけではありません。控除できるものは、法令に別段の定めのあるもの(法廷控除)と労使協定に基づくもの(協定控除)の2種類のみです。
勤怠項目
勤労項目は、1か月間の一人ひとりの働き具合を示すものです。つまり、出勤日数や 労働時間、年次有給休暇の取得日数などといった勤務実績のことをいい、支給項目と密接 な関係があります。
給与計算事務を端的に言うと「総支給額-控除合計=差引支給額」を毎月行う作業です。